東京ラブストーリー
最近テレビで再放送されて話題になった「東京ラブストーリー」
徳島の田舎からでてきた同級生3人(三上 長尾 関口)と、アフリカ帰りの天真爛漫な女性(赤名リカ)が織り成す恋愛物語。
そして、好きでもない男性の子供をはらんだ女性=赤名リカの物語でもある。

同じテーマのキャラクターは、紫門ふみさんの他の作品「あすなろ白書」にも、社長の秘書兼愛人として、その社長と妊娠の危険のある性交渉をくりかえす姿が描かれている。
原作の後書きに赤名リカのモデルになった女性へのメッセージがあるぐらいだから、この女性は紫門さんにとって思い入れのある人物なんだろうと思う。
その赤名リカ。
「sexしよう」という、衝撃的なセリフだけが一人歩きしてしまっている感もあるが、奔放なその姿はやっと開放され始めた女性の”性”の象徴でもある。
サイドストーリーとして、アフリカで日本人観光客の現地での買春について赤名リカが憤慨するシーンがある。
買春男性の身勝手な行動に対する憤りの話だが、女性たちがその見知らぬ男の子供を身ごもってなお、その子供を”神様からの贈り物”といっていとおしむという話だ。
そして終盤、好きでもない男=和賀社長の子供を孕んだ赤名リカが、「女って愛してもいない男の子供でも妊娠しちゃうのよね」と言った後「ねぇ、なんでこんなことになっちゃったの」と完治の胸の中で泣く姿は、前述のアフリカ女性と同様に、性行為の結果としての妊娠ではなく、女性の必然としての妊娠を赤名リカ自身も気づく姿でもある。
対して、TV版では敵役となった関口さとみ。
特に女性から不評を買っているが、何故かというと一言でいえば「男性は関口さとみのような女性が好きなんでしょ!」ということらしい。
しかし、「自分の好きな人が他の女性を抱いているなんて嫌だ」というセリフが象徴するように、女性の”業”を体現しているキャラクターでもある。
強烈な印象を残すのは。高校時代の同級生の自殺があった朝のクラス会のシーン。
関口さとみは黒板に書かれた”みんな大嫌い”という自殺した女性の殴り書きを、同級生の前で消してしまう。
同級生から「なんで消すんだ」と非難を浴びる中、「彼女の死が私たちに教えてくれたのは、このような不当な暴力に私たちは負けてはいけないということ。このようなあてつけがましい書き遺こしは、卑怯な行為」と言ってのけるその姿は、TVで描かれたような「弱い」「待つ」女性のそれではない。
ラストシーン、関口さとみと長尾完治の間に子供が生まれる。
すれ違った赤名リカそっくりの女性に「昨日、ぼく子供がうまれたんです」と話し掛け、それが東京のどこかにいる赤名リカに届くことを祈る完治の姿は、この東京ラブストーリの深遠を物語る。
1つの死と2つの生。
女性の立場からみた独特の生死感が、他の恋愛ドラマとは全くちがう深い印象をあたえているように思える。

東京ラブストーリー (1)Big spirits comics special

東京ラブストーリー (2)Big spirits comics special

東京ラブストーリー (3)Big spirits comics special
| 固定リンク
« IQテスト | トップページ | ガンダムSEED »




コメント